ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「なにか心配してる? 状況確認して隣に声をかけたり、場合によっては部屋を移ってもらったりするだけだよ。いつもやってるフロントの仕事だから大丈夫」

「いつも? 夜勤者が女性なのは危ないな」

お客様を疑いたくないが、こんなに可愛いフロントスタッフがひとりで対応に行けばよからぬ思いが湧くかもしれない。

「まさか、また嫉妬?」

「神山さんと相談して、深夜勤業務から女性スタッフを外す検討をしよう。なにかあってからでは遅いからな。とりあえず今は俺が行く」

「あっ、ちょっと――」

(今度は俺が鈴花を守る。あの日に自分に立てた誓いだ)

客室へ行って男性宿泊客から話を聞いた。

隣の部屋のいびきがうるさくて寝られないという訴えだったのでワンランク、グレードの高い部屋に移動してもらい対応を終えた。

フロントに戻って鈴花に結果を報告し、他にも手伝えることはないか聞いた。

「もう十分だよ。ありがとう」

「鈴花の役に立ちたいんだが」

「気持ちはありがたいけど、ひとりで大丈夫。これまで何年もやってきたことだから。それに譲が朝までここにいたら、早朝出勤のスタッフにおかしいと思われるでしょ。あと深夜勤から女性を外すのも絶対にダメだから。人員が回らなくなっちゃう。お願いだからやめてね」

「そう、なのか……」

色々と気を回す方が迷惑なようだ。

目を伏せて頷くと、顔を覗き込まれた。

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