ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~

家族間の会話は英語で日本語を話せない。

けれども髪も瞳の色も黒に近いダークブラウンなので、日本語を話せて当然だと思われることだろう。

前年に日本ではないアジアの国の小学校に短期間通った時もそのような反応で、話せないことでバカにされたのが嫌だった。

(日本人だと思って話しかけられると困る。無視してくれた方がまだ気楽だよ。どうすればいいだろう。そうだ!)

ひらめいたのは金髪にすることだった。


そうすれば外国人扱いされて、日本語全開で話しかけられることもないだろう。


初めて住んだ日本の地は、北海道の湖と山が美しい温泉地。

小さな町の小学校は各学年ひとクラスずつしかなく、転入した四年生クラスは二十人だった。

「ハイ。アイム、ジョー・カイサキ。アイムフロム、イングランド」

挨拶くらいの日本語は父親に覚えさせられたが、あえて英語で言った。

(これでクラスメイトは話しかけてこないよな)

三か月しかいないのに、たどたどしい日本語で恥ずかしい思いをしてコミュニケーションを取りたくない。

バカにされたくないという思いと、どうせ友達になれないという気持ちから、日本語を覚える努力は無駄だと感じていた。

(読みたかった長編小説があるんだ。三か月をちょうどいい読書時間だと思えばいい)

けれどもクラスメイトの反応は思っていたのと違った。

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