ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
授業と授業の間の短い休み時間に、元気のいいショートボブのぽっちゃりとした女の子が笑顔で話しかけてきた。

「ジョーくん、私は鈴花だよ。よろしくね。私ね、幼稚園の頃に英語習ってたの。これはブックでしょ、ペンシル、デスク。困ったことがあったら言ってね。みんな優しいから大丈夫だよ」

(えっ、日本語が話せないって、先生も説明してくれたはずだよな?)

周りの子も一気に集まってきた。

「誰だってそれくらい知ってるって。俺も話せるぜ。ドアだろ、ウインドウだろ、コクバーンだろ」

ドッと笑いが起きて、日本語がわからなくてもどんな会話がされているのか想像できた。

鈴花がニコッとする。

「ね、みんな面白いでしょ? 言葉が違っても友達になれるよ。大丈夫」

「ダイジョウブ……?」

(イッツオーケーって意味かな)

鈴花の『ダイジョウブ』が不思議とすんなり心にしみて、少しくらいはコミュニケーションを取ってもいいかという気持ちになれた。

そこからの一週間、海崎は長編小説を一ページも読めずにいた。

休み時間になると鈴花が話しかけにくる。

彼女につられるように周りの子も集まってきて、海崎は常にクラスメイトに囲まれていた。

昼休みには鈴花に手を引っ張られて校庭に行き、ドッジボールをさせられた。

「ジョー、お前うまいじゃん」

(褒められたんだよな。なんか、嬉しい)

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