ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
遊びの誘いを断って大人しくしていた方がよかったかとまた心を閉ざしかけたその時、「やめなさいよ!」と声がした。

校舎の角から鈴花が現れ、こっちに向けて駆けてくる。

そのまま止まらず六年生男子に体当たりを食らわせ、巻き添えになった海崎も一緒に地面に尻もちをついた。

「いってーな。四年のブタ女か」

「悪口言っちゃいけないんだよ。意地悪もダメ。今度やったら、もっとぶっ飛ばすから」

「くそっ。暴力振るわれたって先生に言ってやる」

情けない捨て台詞を吐いて三人が逃げていった。

「ジョー、大丈夫? 立てる?」

尻もちをついたままの海崎に鈴花が片手を差し出した。

「きっと大丈夫だと思うけど、またなにかされたら大声で私を呼んで。駆けつけるから」

逆光の中の笑顔が眩しくて胸が高鳴った。

(強くて、優しくて、すごく可愛い)

それが恋に落ちた瞬間だ――。

懐かしさに浸りながら夜道に車を走らせる。

結婚の約束をした時の回想までいかないうちに、自宅に着いた。

(鈴花はあの頃と変わらないが、今は俺の方が力は強い)

日本を離れてから小学校宛てに手紙を何度か送ったが、返事はなかった。

鈴花に会えず寂しさや恋しさを募らせ塞ぎこんだ日もあった。

それではいけないと別れの日に彼女と交わした約束を胸に、会えない期間は自分を成長させるためにあるのだと思うことにした。

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