ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「お神輿を担ぐのは小学生なの。私が子供の頃は今より生徒数が多かったから、百メートル交代で担いでた。もっと小さな子はミニのぼり旗やうちわを持ってついてくるんだよ」

「小さな子も参加できるのはいいな。神輿が終わったら、お菓子をもらえるんだろ?」

「そう! よくわかったね」

「毎年、三角コーンスナックと温泉饅頭なんだよな」

「えっ、どうして知ってるの?」

目を合わせても、海崎は微笑むだけでなにも答えない。

(ヒントのつもりなのかも。一緒にお神輿を担いだ過去があるの?)

「行こう」

足を止めて考えていると手を引っ張られ、歩き出す。

神社を過ぎた少し先には西洋風のおしゃれな外観の二階建て住宅が五棟建ち並んでいた。

「まったく同じデザインだな」

「うん。同じ建設会社の建売住宅だよ。パステルブルーの壁と白い出窓が可愛いよね」

「子供たちが虫取りして遊んでいた原っぱがなくなったのは少し残念だ」

ここに家が建つ十年以上前の頃のことだが、雑草のしげる空き地は子供たちの格好の遊び場だった。

鈴花も小学生の頃は蝶やバッタを掴まえて遊んだ思い出がある。

(やっぱり小学生の頃に私たちは出会ってるんだ。転校生で記憶に残っているのは金髪の男の子で、名前はなんだったかな。外国人っぽい名前だったと思うんだけど)

思い出せたとしても髪の色が違うし、海崎の国籍は日本だ。

< 131 / 242 >

この作品をシェア

pagetop