ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
『大丈夫。これでバイバイじゃないよ。いつでもこの町にいるから会いに来て。ジョーのことずっと待ってる』

十歳の頃の自分を頭の中に描き、言いそうだと思いながら頷いて聞いていた。

友達に対しての純粋な慰めだったに違いないが、大人になった今考えると思わせぶりな感じもした。

「鈴花も俺に好意を持ってくれているんじゃないかと期待した。だから思い切ってプロポーズした」

『何年かかっても絶対に鈴花に会いにくる。鈴花が好きなんだ。君が僕を助けてくれたように、今度は僕が君を助けるよ。立派な男になって迎えに来るから、僕と結婚してくれる?』

鈴花の両手をぎゅっと強く握り、必死になにか訴えている彼の顔が記憶の中から蘇った。

(でも、そんなこと言ってた?)

十歳の子供の頃でも、結婚してと言われたら記憶にしっかりと残りそうな気もするのだが。

「それで私はなんて答えたの?」

「『もちろん』と言ってくれた。オーケーの意味だろ?」

「そうだけど……」

(本当に?)

そんな簡単に結婚の約束をするものだろうか。

友達としか意識していなかったのは確かなので、プロポーズを了承するとは思えなかった。

「譲、ごめん。嘘だと思ってるわけじゃないけど、なにか勘違い的なものはない?」

他にもおかしいと引っかかっていることがある。

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