ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
海崎は職場のオーナーで複数の事業を手掛ける実業家だ。おまけに容姿端麗で十二か国語を話せる頭脳を持ち、こんなに素晴らしい人にどうして自分が選ばれるのかと最初は不思議な心地がした。

けれども今強く感じているのは不釣り合いな点より、彼の一途さだ。

(こんなにまっすぐに愛してくれる人は他にいない)

プロポーズの喜びとともに、海崎を愛しく思う気持ちが自分の中にあるのをはっきりと自覚した。

「プロポーズしてくれてありがとう。私も譲が大好きだよ。ふたりで幸せになろう」

「鈴花……!」

「わっ」

ぎゅっと強く抱きしめられて心臓が温かく波打つ。

(こんなに喜んでくれるなんて。もっと早く好きだって言えばよかったかな)

ソファに座り直した彼が嬉々として指輪をはめてくれる。

「きれいな指輪」

角度を変えて光の変化を楽しんでいる横で、彼がもうひとつの小箱を開けた。

「こっちはマリッジリング」

おそろいのペアリングが並んで収められていて、シンプルなデザインの指輪の内側にエンゲージリングとお揃いの小粒ダイヤが埋め込まれていた。

ふたつの指輪を重ねて左の薬指にはめてもらう。

「俺の指輪は鈴花にお願いしていい?」

「うん」

彼の指にもお揃いの指輪をはめると、これで夫婦のスタートラインに立てた気がした。

「鈴花、愛してる」

顎先に彼の指がかかる。

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