ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「もう我慢できない」

唖然とした次の瞬間、両足を広げられ、彼が一気に腰を沈めた。

「ああっ……!」

ウブでもないのに反射的に体に力を入れてしまうと、心配した彼が動きを止めた。

「大丈夫?」

「うん。ごめん、びっくりしただけ」

ホッとしたように微笑んだ彼がリズムを刻みだす。

ベッドのスプリングが微かに音を立てる。

ふたりで波に揺られていると、快感に比例して愛しさもさらに膨らんでいく。

「譲……」

「ん?」

「愛してる」

彼の背に腕を回して呟くと、耳元に深いため息が聞こえた。

「やっと鈴花を手に入れた。最高の気分だ」

視線を絡めてキスをして、抱きしめ合って快感に溺れる。

「一生よろしく。俺の奥さん」

「うん。こちらこそ」

本当の意味で夫婦になれたこれからは、今よりもっと幸せになれる予感がした。




夫婦生活のスタートを切った翌週、今日は金曜日だ。

早番のシフトで十六時まで働いた鈴花は、自宅で二時間ほど過ごしてこれからまた出かける。

コートを着て「いってきます」と向かったのは、海崎の部屋の玄関だ。

結婚指輪をはめた日からふたりの部屋を繋いでいた室内ドアを開放している。

鈴花の部屋に入るのは衣類を取りに行く時くらいで、彼の居住スペースで寝起きするのが当たり前になっていた。

「送っていくよ」

車のキーを手に玄関までついてきた彼を止める。

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