ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
マスターに挨拶してから鈴花も席に着く。

昼間と違ってジャズが流れる店内には他に八人の客がいて、この店にしては賑わっている。

「おつかれさま。待たせてごめんね」

「今来たとこだよ。真紀さんとこれ食べたいねって話してたんだけど、頼んでいい?」

「アヒージョ、いいね。頼もう。これとこれも」

夢美はオレンジジュース、鈴花と真紀はカクテルを注文して乾杯した。

「鈴花、指輪見せて」

真紀に言われて左手をテーブルに広げてのせた。

職場では夫婦関係を秘密にしているので結婚指輪をつけていけない。

自宅にいる時だけ結婚指輪をはめ、婚約指輪は大切にしまっていた。

ふたつの指輪を重ねてつけたのは指輪をもらった日以来である。

夢美が目を潤ませて大袈裟なほど感動してくれる。

「とってもきれいな指輪だね。鈴花が幸せになれて本当に嬉しい!」

ふたりには軽く、先週の出来事を話してある。

海崎が小学四年生の時の金髪の転入生だったことには夢美も驚いていた。

「鈴花のために努力していい男になったなんて、さすが私の鈴花」

「さすがなのは私じゃなく、あっちだよ」

真紀は指輪をしげしげと見て感心している。

「たしかにさすがは海崎オーナーだね。ジュエリーには詳しくないけど、めちゃくちゃ高そう。鈴花に会うためにホテルの経営権を買うくらいだもの、これくらいは朝飯前か」

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