ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「鈴花、迎えにきたよ」

店を出る時に連絡する約束はしたが、どうやら待ちきれずに来てしまったらしい。

「こんばんは」

笑みを向けた彼に真紀が挨拶を返し、夢美はなぜかパッと顔を輝かせる。

「いいところに! 実は助けてくれって、鈴花の元か――」

(譲には言わないで!)

真紀が急いで夢美の口を押さえてくれて、鈴花は伝票を手に席を立つ。

「私がまとめて払っておくね。それじゃ、また職場でね」

会計をすませ、海崎と帰路に着く。

なにも聞かれないのでごまかせたかと思ったが、玄関に入るなり聞かれる。

「あの男、熊尾隆矢と連絡取り合ってるのか?」

コートを脱いだばかりの肩をビクッと震わせてしまった。

(これじゃ、やましいことがあるみたいじゃない)

「一方的なメッセージが時々届くだけだよ。もうブロックしたし、心配いらないから」

「よかったら、見せてくれない?」

「私が好きなのは譲だけだよ。あれから一度も会ってないし、返信もしてない」

関係が続いていると疑われているのかと思い、焦って彼の腕を掴んだ。

すると肩を抱かれてリビングに誘導される。

「疑ってないから安心して。助けてというメッセージが届いたんだろ? 熊尾になにがあったのかと気になっただけなんだ」

ホッとして頷いた。

ソファに並んで座り、隆矢から来たメッセージを見せた。

< 152 / 242 >

この作品をシェア

pagetop