ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
もう何度も体を重ねているのに、まだ恥ずかしくて照明の明るさを気にしてしまう。

「譲」

唇をずらして呼びかけると、身を起こした彼がローテーブルに手を伸ばした。

言わなくても気持ちを察してくれて、リモコンで照明を消してくれる。

暗くなったそのあとは、心行くまで濃密に愛された。



それから数日が経ち、早番の鈴花はフロントに立っている。

時刻は十五時半になり、あと三十分で仕事を終える。

チェックインのお客様が増えてきて、遅番のフロントスタッフと一緒にカウンター業務をこなしていた。

「本日は二泊でツインルームのご予約をいただいております。お間違いないでしょうか?」

チェックインを終えたお客様をベルボーイが客室へと案内する。

カウンター業務はなんの問題もなくスムーズに進んでいたのだが――。

「お待たせいたし――!?」

次に鈴花の前に立った客に目を見開いた。

隆矢だったのだ。

(髪が黒いからすぐに気づけなかった。職場まで押しかけてこられると困るよ)

彼の連絡先をブロックしたからだろうか。

帰ってと言いたいところだが、他のお客様もいる手前、邪険にはできない。

「いらっしゃいませ。ご予約はいただいておりますか?」

笑みをひきつらせて対応すると、真剣な顔の彼に小声の早口で言われる。

「頷いてくれるだけでいいから」

(えっ、なにが?)

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