ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「それで熊尾さんと別れたあと、鈴花は俺と結婚した。ここまでの事実に間違いは?」

「ないよ。当事者しかいないんだからわざわざ確認しなくてもわかるだろ。わかんないのは、なんであんたが鈴花を選んだかってことくらいだ。ホテルオーナーなんだろ? どんな女でも落とせそうなのになんで鈴花なんだよ。鈴花も鈴花だ。結局は金か、それとも顔か? 三年付き合った俺より出会ったばかりのこいつを選ぶなんて見損なったよ」

ムッとして言い返そうとしたが、海崎が先に言う。

「ひとつ勘違いがある。俺と鈴花が出会ったのは十歳の時だ。先に出会った方が優先されるなら、俺と鈴花の結婚は当然ということになるが」

「は?」

信じていないような顔なので、転校生だった話とその時のプロポーズも打ち明けた。

「私は思い出すまで時間がかかったけど、譲がずっと私を想い続けていてくれたから夫婦になろうと思えたの。お金や顔じゃないよ。それだけは言わせてもらう」

海崎と目を合わせて微笑んだ。

絶対に壊されない絆があると胸を張る。

すると隆矢がため息をついた。

「わかったよ。よりを戻すのは諦める。だから、これだけは協力してくれ。俺の親の前でだけ恋人のふりをしてほしい。こっちに彼女がいるから東京に帰れないってことにしてるのに、嘘がバレたら連れ戻される」

(さっき断ったのに)

海崎が低い声で言う。

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