ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「協力はさせない。鈴花は俺の妻だ。たとえ演技であっても他の男には渡さない」

鼓動が温かく高まる。

強い独占欲に戸惑っていたのはもう過去の話で、彼の深い愛情に気持ちが追いついた今はときめきと喜びで頬が熱くなった。

(譲、大好き)

「あんたじゃない、鈴花に頼んでいるんだ」

隆矢がまだあきらめずに食い下がる。

「なぁ、鈴花。お前が協力してくれなかったら俺は連れ戻されるんだぞ? 東京でつらい思いをしてまた病んでもいいと思ってんのか? そうなったらお前の責任だぞ」

(えっ、私のせいなの?)

睨まれて思わず怯むと、海崎に肩を抱き寄せられた。

「いい加減にしろ。この町に来たのは東京での人間関係のせいで、鈴花と別れたのは俺が現れたせい。それで連れ戻されそうになっているのは鈴花が協力しないせい? どれだけ人のせいにすれば気が済むんだ」

「あんたに言われる筋合いはねぇよ。俺の人生、こんなはずじゃなかった。なにもかもうまくいかないのは俺のせいじゃない!」

(呆れた。まるで駄々をこねる子供みたい)

海崎も呆れたように嘆息している。

「熊尾さんはむしろこの町にいない方がいい。東京のご両親のもとに戻って、その甘えた性根を叩き直してもらうべきだ」

「うるせぇ、黙れ!」

隆矢が声を大きくした直後に、「黙るのはお前だ」と男性の声がした。

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