ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
海崎ではなく、隆矢の後ろにある襖から聞こえた。
(藤の間に誰かいたの?)
隆矢も驚いた様子で振り向くと、襖が開いて隆矢の両親が現れた。
「なんで――」
目を見開いた隆矢が、噛みつくように海崎に言う。
「はめたのか。卑怯だぞ」
「先に鈴花をはめたのは熊尾さんです。仕事中の鈴花がなにも言えないのをいいことに、自分の恋人だと言ってご両親に紹介したでしょう」
(隣にご両親を待機させていたなんて、いつの間に?)
ロビーで神山を呼び寄せ、なにやらヒソヒソと話していたのを思い出した。
あれはきっと、隆矢の両親を藤の間に通すようにという指示だったのだろう。
今思えば応接室も会議室も空いていないというのはおかしいし、夜なのにラウンジバーから外を眺めたのも時間稼ぎなら説明がつく。
納得したあとは、お客様である隆矢の両親のために急いで座椅子を用意したが、いらないと手で示された。
母親はハンカチを出して「情けない」と目元を拭っており、父親は目をつり上げていた。
「すべて聞かせてもらったぞ。鈴花さんに大変世話になっておきながら、浮気した上に侮辱していたのか。捨てられて当然だろ。それなのに人のせいにして。東京で働けなくなったのも、お前のせいじゃないか!」
聞けば隆矢のミスで取引先に契約を切られたのに、同僚に罪を着せるような報告を上司にしたそうだ。
(藤の間に誰かいたの?)
隆矢も驚いた様子で振り向くと、襖が開いて隆矢の両親が現れた。
「なんで――」
目を見開いた隆矢が、噛みつくように海崎に言う。
「はめたのか。卑怯だぞ」
「先に鈴花をはめたのは熊尾さんです。仕事中の鈴花がなにも言えないのをいいことに、自分の恋人だと言ってご両親に紹介したでしょう」
(隣にご両親を待機させていたなんて、いつの間に?)
ロビーで神山を呼び寄せ、なにやらヒソヒソと話していたのを思い出した。
あれはきっと、隆矢の両親を藤の間に通すようにという指示だったのだろう。
今思えば応接室も会議室も空いていないというのはおかしいし、夜なのにラウンジバーから外を眺めたのも時間稼ぎなら説明がつく。
納得したあとは、お客様である隆矢の両親のために急いで座椅子を用意したが、いらないと手で示された。
母親はハンカチを出して「情けない」と目元を拭っており、父親は目をつり上げていた。
「すべて聞かせてもらったぞ。鈴花さんに大変世話になっておきながら、浮気した上に侮辱していたのか。捨てられて当然だろ。それなのに人のせいにして。東京で働けなくなったのも、お前のせいじゃないか!」
聞けば隆矢のミスで取引先に契約を切られたのに、同僚に罪を着せるような報告を上司にしたそうだ。