ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
電話口で必死に弁明していた隆矢だったが、切られてしまったようで携帯電話に向けて舌打ちしている。

「こんなことしてる場合じゃない。父さん、母さん、悪いけどまた今度な。会社に行ってくる。過去のミスを色々と引っ張り出されて、なんで今頃」

「言い訳しに行っても無駄だと思うが。里山フーズの社長は、これまでのあなたの勤務状況をしっかり調べてくれたはずだから」

「まさか……あんたが社長になにか言ったのか!?」

「うちの取引先なので。信用のおけない社員がいる会社の製品は扱えないと言っただけだ」

海崎がニッと口角を上げて立ち上がった。

ホテルで使用している食材の一部を里山フーズから仕入れていたのだろうか。

狭い町なので十分にあり得るが、フロントスタッフの業務とは無関係なので今まで意識したことはなかった。

「どうしてくれんだよ! あんたのせいでクビにされるんだぞ。責任取れよ!」

海崎の胸倉を掴もうとするから慌てたが、隆矢の手は届かない。

父親が息子を殴り飛ばしたからだ。

「きゃっ!」

口元を両手で覆って驚いていると、海崎が抱き寄せてくれた。

「いい加減にしろ! お前はまた人様のせいにして。真面目に働いていたら、調べられても困ることなどなにもない。クビにされるということは、お前がそれだけ職場に迷惑をかけてきたということだろ」

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