ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
少しも悪びれない彼に開いた口が塞がらない。

「夫婦なんだから当たり前だろ」

(そうなの……?)

あまりにも堂々としているので驚いた自分の方がおかしいのかと思いそうになったが、厚みのあるお腹に触れて首を横に振った。

「夫婦でも恥ずかしいよ。裸はなるべく見せたくないの」

鈴花の手からシャワーを取り上げた彼が、頭から浴びて汗を流している。

前髪をかき上げる仕草が色っぽく、濡れた髪や肌は艶があって水も滴るいい男だ。

鼓動がたちまち速度を上げていく。

(譲が美しすぎるから、余計に恥ずかしい。だって、私はこんなんだし……)

美しくなる努力もしていないのに、きれいになりたいと思う自分に呆れた。

(恥ずかしいのを譲のせいにして、隆矢のこと言えないかも)

「鈴花」

優しい声で呼びかけた彼が泡をかき分ける。

「見つけた」

アーモンドアイが弓なりになり、頭を撫でられる。

「鈴花はきれいだよ」

「スイーツみたいだって言ったじゃない。生クリームに埋もれた大福みたい」

(気を使ってくれたのにこんな可愛くない言い方して。今の私、ちょっとダメかも)

「ごめんね。ありがとう。でも今はひとりにさせて」

拗ねた顔を見られたくなくて、泡をかき集めて垣根を作った。

けれども垣根どころか、泡のほとんどが一瞬で流される。

彼が鈴花の横に無理やり入ってきたからお湯があふれたのだ。

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