ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
くるみ色の長いストレートのきれいな髪で、女優が顔を隠すのに使っているような大きなサングラスをヘアバンドのように頭につけている。

耳にはゴールドのピアスが揺れ、濃い目のメイクのかなりの美人だ。

ヒールの高いブーツを履いているせいもあると思うが、目線の高さが海崎と同じくらいある。手足がスラッと長くコートの上からでもスタイルのよさを感じた。

チェスターコートのボタンには有名ブランドのロゴがあしらわれていて、セレブな印象も受けた。

(ゴージャスで女優さんみたいな方ね。でも、なんで?)

気になったのは英語で海崎に話しかけているからだ。

『このホテルのオーナーなの? 若いのにすごいわね。名刺をいただける?』

(えっ、どうして名刺を?)

『パパは四泊で帰るけど、私はロングステイも考えてるの。湖がきれいで気に入ったわ。よかったらこの町を案内してくださらない?』

(観光に同行するサービスはしてないけど)

聞こえてくるアルマの言葉にいちいち反応してしまう。

(もしかして、譲に一目惚れした……?)

アプローチしている会話を父親に聞かれたくないから英語で話している気がした。

彼女の英語は流暢でそれならチェックインを父親と代わってほしかったが、それよりも海崎に気のありそうな態度に焦っていた。

(やめてよ。譲は私の旦那様なんだから)

「こちらがルームキーになります」

< 178 / 242 >

この作品をシェア

pagetop