ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
最後にラウンジカフェに電話したが、忙しいのか誰も出ないので直接伝えにいった。

ひとりはレジで会計中で、コーヒーを出しているもうひとりのスタッフは怜奈だった。

お客様の席を離れた怜奈が、入口に立っている鈴花を見つけるなり足早に近づいてくる。

その顔は明らかに文句がありそうだ。

(えっ、なに?)

「見てたんだからね。さっきフロントで海崎オーナーと顔を寄せ合ってなにしてたのよ」

「お客様対応の指示を受けていただけですけど」

「本当に? 距離が近すぎるのよ。こっちは接近禁止令を出されて困ってるのに、杏野さんだけズルいわよ」

(接近禁止令? 対応が早い)

お客様アンケートでラウンジカフェスタッフへの苦情が書かれていた。

責任者を呼んで話を聞くと海崎が言ったのは、ほんの二時間ほど前だ。

それをもう済ませていたらしく、怜奈は上司から厳しい注意を受けたらしい。

(だから機嫌が悪いんだ)

怜奈にずいっと顔を近づけられて怯む。

「勘違いしないでよ。オーナーが杏野さん近づくのは、女扱いしてない証拠。意識してたら逆に近づけないものよ。だから現状、私の方が一歩リードしてる」

(私、競ってないけど)

「伝達事項があるので失礼します」

怜奈とは話にならなそうなので、もうひとりのスタッフが手隙になったところを掴まえて声をかけた。

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