ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
引きつりそうな笑みをキープして英語で対応する。

『高台のレストランはいかがでしょう? ジビエ料理がおいしいですよ』

『昨日行ったわ。一応料理の写真を撮ったけど、映えないのよね』

料理の写真はアートのような美しさや、量が多いなどのダイナミックスさ、その国ならでは珍しさがないと高評価数が上がらないらしい。

(アルマさんにとってはそれがお仕事だから、辛口評価は仕方ないのかも。でも私も譲も、高台のレストランは好きなのに)

お気に入りの店を否定されて悲しい。

父親の方にもフランス語で苦情のようなことを言われて急いで翻訳タブレットを出したが、アルマが通訳してくれた。

『空腹で倒れそうですって。昼食はルームサービスで頼むことにするわ。メニューの相談をしたいから、オーナーを部屋に呼んでもらえる?』

『オーナー』と言った途端にアルマの口角が上向きになった。

(譲はなるべく関わらせたくないんだけど)

『メニューのご相談でしたら、シェフをお部屋に向かわせますね』

嫉妬心だけが理由ではなく、誰が考えてもその方がいいだろう。

メニューにはない映える料理を要求してくると思うので、作れるかどうかを最終的に判断するのは海崎ではなくシェフなのだから。

けれども人差し指を左右に振って「ノンノン」と拒否される。

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