ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
半歩、横にずれて前列に並ぶ人の隙間から覗くと、そこに立っていたのはやはり昨日のイケメンだった。

(うちの新オーナーだったの!?)

今日の彼は前髪を後ろに流し、形のいい額があらわになっている。

凛々しい眉の下には色気を感じさせるアーモンドアイ。

真紀からクオーターだと聞いたせいかもしれないが、整った顔立ちや抜群のスタイルが日本人離れしているように感じた。

(二度と会えない人だと思っていたのに。これって、運命?)

いつもは夢見がちなことを言う夢美を落ち着かせる側なのに、今ばかりは彼と自分の歯車が噛み合った気がしていた。

「ザ・リンドン・ハートリーらしい伝統やおもてなしを大切にしながら、新しい時代に合わせたサービスやチャレンジにも取り組んでいきたいと考えています。皆さんが誇りとやりがいを持って働ける職場づくりにオーナーとして全力で取り組むことを――」

(バリトンボイスっていうのかな。声までかっこいいなんて反則だよ)

もっとよく彼を見ようとして横にずれると、真紀の腕に触れた。

「どうした?」

小声で問いかけられてもまだ夢心地で、いつもの自分なら絶対に言わない言葉が洩れる。

「運命かもしれません」

「えっ、なんて言った?」

海崎の挨拶が終わって拍手が湧いたあとは、神山から持ち場に戻るよう指示があった。

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