ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
会議室内は一気に会話の声があふれ、海崎の若さや優れた容姿に驚いているような声が聞こえてきた。

その中に女性の黄色い声も交ざっている。

鈴花の真後ろにいるラウンジカフェスタッフの女性ふたり組で、ひそめきれていない声で興奮気味に話している。

「指輪してないよね。独身だよ。私、運命感じちゃった」

「怜奈(れな)、彼氏いるでしょ」

「速攻で別れる。海崎オーナーとじゃ、比べものにならないわ。この恋がうまくいくように協力して」

(運命感じたの、私だけじゃなかったみたい)

怜奈はひとつ年上の二十八歳で、ホテルスタッフの中で一番の美人だ。

ただ、美人を鼻にかけ恋人をとっかえひっかえしているので苦手という人も少なくない。

怜奈のおかげで冷静さを取り戻し、苦笑した。

(贅肉多めの私が、運命だなんて笑っちゃう。憧れるのもおこがましいでしょ)

「なんでもないです。ちょっと驚いただけで。実は、お昼に話した昨日の人が――」

小声で真紀に事情を話していると、神山と並んでドアに向かう海崎がこちらを見た。

視線が交わったその瞬間、嬉しそうに目を細めるから心臓が大きく波打つ。

その直後に怜奈が「キャアッ」と声を上げた。

「今、私に向けて微笑んでくれたよね。もしかして、お互いに一目惚れ?」

(同類になりたくない……)

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