ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
急いで笑みを作って問いかけると、また英語かと言いたげなうんざりした顔をされた。

『コンビニの肉まんが食べたいと娘が言うんでな。どうせあんたらは買ってきてくれないだろ? まったく親を使いに行かせるとは、とんだワガママ娘だ』

『誰に似たんだ』と付け足した言葉に『父親でしょう』と心の中でツッコミを入れつつも、焦っていた。

(ということは今、お部屋の中ではアルマさんと譲のふたりきり?)

行かないでと言いたいところだが、『いってらっしゃいませ』と笑顔で見送るしかなかった。

父親の姿が見えなくなると、我慢できずにドアに耳をつけた。

その直後にドアが内側に開いて、転がり込みそうになる。

「わっ!」

「鈴花?」

傾く体を押さえてくれたのは海崎だった。

「どうした?」

「いえ、その……」

言い訳が思いつかず、「すみません」と謝った。

その時、部屋の奥から『ちょっと待ってよ』とアルマの声がして、こっちに来る足音もした。

『あなたは誤解しているわ。もっと私のことを知ればきっと好きになる。それに、あなたにも大きなメリットがあるわよ。ホテルの宣伝、してほしいでしょ?』

どうやら危惧した通り、海崎にモーションをかけていたようだ。

背を向けている海崎の腕に片手をかけた彼女は、陰になっていた鈴花の存在にやっと気づく。

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