ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
気を抜くと頭の中が彼一色になりそうで、これではいけないと頬を叩いた。



結局アルマは延泊せず、翌日に父親と一緒にチェックアウトした。

ホテルに平和が戻って十日ほどが経ち、従業員たちの話題にはデュボワ父娘の名が上がらなくなっている。

早番でフロントカウンターに立っている鈴花は、間もなく退勤時間を迎える。

チェックインが落ち着いたので、パソコンで週末の予約状況を確認していた。

(土曜のデラックスルームが満室。クリスマスが近いせいだ)

ロビーには大きなクリスマスツリーが飾られている。

今年のクリスマスは平日なので、その前の今週末にカップルの予約が多く入っていた。

レストランメニューもクリスマスディナーが始まっていて、大切な人とちょっといいホテルでクリスマスを祝おうという予約客の気持ちに共感した。

(私も、今からすごく楽しみ)

鈴花のシフトはクリスマスイブが夜勤明けで、その翌日は休みだ。

海崎が札幌の有名ホテルに一泊の予約を入れてくれたので、その日はもてなされる側になって美味しい食事とふたりの時間を楽しめる。

それがあるから、離れている寂しさに耐えられた。

海崎は今、イギリスの実家に帰っている。

彼の貿易関係の事業で父親からいい取引先を紹介してもらえるらしく一昨日、飛行機で日本を発った。

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