ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
(寂しそうな顔で『寂しい?』って聞くから、平気なふりして送り出したんだよね。寂しがったら、行くのをやめると言いそうな気がして)

クリスマスイブには必ず戻ると言っていたが、一週間ほど彼を恋しく思うひとり寝が続くだろう。

(一週間くらいすぐに経つよ。明るい気持ちで待っていよう。用意したクリスマスプレゼント、喜んでくれるかな?)

セレブな彼はなんでも持っているので、なにを買っていいのかわからなかった。

何日も悩んで彼が一番喜ぶものをと考えた結果、頭に浮かんだのは自分自身だ。

うぬぼれているようで恥ずかしいが、実際にそうなのだから仕方ない。

しかし自分をあげると言ってもすでに夫婦なので意味はなく、また悩んで出た答えがペアルックだ。

洋服は恥ずかしいので同じ色とデザインのスニーカーを購入し、自宅のクローゼットに隠してある。

(こういうドキドキって、楽しい)

つい頬を緩めてクリスマスツリーを見ていたら、神山に声をかけられる。

「杏野さん、退勤時間が過ぎてるから上がって」

「あっ、すみません。お先に失礼します」

バックヤードに出るなり怜奈と鉢合わせ、肩をビクつかせた。

「おつかれさまです……」

怜奈は不満顔だ。海崎のことでなにか言われそうな気がして早く立ち去りたかったが、進路を塞がれてる。

< 199 / 242 >

この作品をシェア

pagetop