ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「ちょっと、どういうこと? この前、杏野さんが海崎オーナーと一緒にスーパーマーケットで買い物してたって噂を聞いたんだけど」

「えっ!?」

狭い町なのでいつかは知り合いに見られそうな気はしていた。

そうなったら仕方ないから夫婦関係を公にしてもいいと思っていたが、実際にそうなると保身に走ってしまう。

「ええと、それは……あっ、たぶんあの時です。買い物に行ったらたまたまオーナーがいたから、今夜の夕食はなんですか?なんて話をしながら一緒に店内を回ったんです」

腕組みをしてじっと顔を見られ、鼓動が早鐘を打ち鳴らす。

(嘘くさかった?)

内心ではオロオロしていると、怜奈が急に笑顔になった。

「やっぱりね。そんなとこだろうと思った。ふたりが付き合ってるんじゃないかって言ってた人もいたけど、まさかね」

「そ、そうですよ。まさか、そんな……」

(そのまさかどころか、実は結婚してますとは言えない)

笑ってごまかし、「お先に失礼します」と横をすり抜けようとしたが、腕を掴まれた。

「まだなにか?」

「ねぇ、スーパーでオーナーはなにを買ってたの?」

「カレーの材料……とか?」

適当に答えると、怜奈の顔がパッと輝いた。

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