ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
輪の中にいた真紀が補足してくれる。

「どこのホテルか特定する動きの中でバズっちゃってるみたい。この投稿のあとに『私も見た!』みたいなリプライが九件もついてる。そっちはたぶん、バズリのおこぼれを狙おうとしての嘘だとは思うんだけど」

夢美が可愛い顔の鼻の付け根に思いっきり皺を寄せていた。

「許せない。わざとホテルを特定できるようなヒント出して、こんなの営業妨害でしょ」

クリスマスから年始にかけては冬の書き入れ時だ。

まるでそこを狙い撃ちしたかのような投稿に不安になる。

「事務長、どうしますか?」

真紀が指示を仰いだ時、電話が鳴り響いた。

「お電話ありがとうございます。ザ・リンドン・ハートリー札幌でございます」

受話器を取って対応しているのは男性事務員だ。

「はい、承ります。ご予約のお名前をお願いいたします。――確認できました。それではキャンセルのお手続きをさせていただきます」

(宿泊キャンセルの電話。それって、もしかして……)

キャンセルの連絡は珍しくないのに、SNS投稿のせいかと勘繰ってしまう。

電話対応の声に気を取られていると、夢美がいつになく深刻そうに言う。

「影響、出始めたみたいです」

ノートパソコンは予約管理画面を表示していた。

外部の予約サイトを介してのキャンセルが、みるみるうちに増えていく。

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