ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
【まだ起きてる?】と聞かれてスタンプで返事をすると、ビデオ通話で電話がかかってきた。

はやる気持ちを抑えて手櫛で髪を整えてから電話に出る。

『鈴花。日本時間だと、こんばんはだな』

画面上で微笑んでいる彼はスーツ姿だ。

背景はカフェのようで、客の話声でザワザワしている。

「仕事は終わったの?」

『まだだよ。今、遅めのランチを取っている』

彼が携帯のカメラをテーブルに向けると、コーヒーとフィッシュアンドチップスが映った。

「おいしそう。ランチが遅くなったということは忙しかったんでしょ? おつかれさま」

『鈴花もな。パジャマ姿、可愛いな。疲れがいっぺんに吹き飛んだ』

相変わらず甘いことを言う彼に顔が熱くなる。

「外では言わない方がいいよ。誰かに聞かれたら――あ、日本語だからわからないか」

『近くで日本人の留学生らしき学生がレポートを書いてる』

「えっ、だったら恥ずかしいからやめてよ」

海崎の携帯画面がチラッとでも見えたら、どこが可愛いのかと思われるだろう。

『恥ずかしい? 鈴花のパジャマ姿は世界遺産よりも見る価値があるのに?』

本気でそう思っていそうな顔なので、どこからつっこめばいいのかわからない。

戸惑っていると、フッと微笑んだ彼が急に男の顔をした。

『ただし、見る権利があるのは夫の俺だけだ。誰にも見せない』

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