ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
『今すぐ会って、鈴花を抱きしめられないのが苦しいな。クリスマスイブには一度帰るから、約束のクリスマスデートは――』

「譲、札幌のホテルの予約はキャンセルしよう。フランスに近いそっちにいた方がアルマさんの件を解決しやすいでしょ? デートのために戻ってきたら時間のロスになるよ」

『待ってくれ。鈴花も楽しみにしていたじゃないか』

画面の中の彼は焦り顔だ。

「うん。すごく楽しみだった。でもね、この件を解決しないと楽しめないし、みんなが対応に忙しい中で私たちだけ遊んでいるのは申し訳ないよ。すべて終わってから、クリスマスをやり直そう?」

『鈴花……』

彼が嘆息した。

感心かそれとも呆れか、はたまたデートができない落胆なのかと不安に思いながらも説得を続ける。

「譲、お願い。私、今の職場が好きなの。ザ・リンドン・ハートリーで働く私たちを守って」

画面越しに真顔で見つめ合うこと五秒ほどして、海崎が頷いた。

『鈴花の期待は裏切らないよ。俺は解決までこっちにいる』

「ありがとう!」

『ただし』

彼の目が挑戦的に光った気がして心臓が跳ねた。

「ただし……?」

『すべてが片づいたら、思う存分鈴花を愛したい。今から覚悟しておいて』

ニッと上がった口角も甘口のアーモンドアイも唇も色っぽくて、画面越しなのに彼の濃厚なフェロモンを浴びた気分で頭がクラクラした。

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