ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「そうじゃなくて、暗いと怖いじゃない。家でも真っ暗だと寝れなくて、豆電球つけてるんだ」

隣のベッドを見ると、怜奈が顔だけ出して頭まですっぽり布団をかぶっている。

もしかすると、鈴花以上に怖がりなのかもしれない。

(譲に気に入られたいから無理したんだ……)

呆れて無言になると、大きな声を出される。

「なにか喋ってよ!」

(び、びっくりした)

「すみません、検証ですから暗いままにしないとダメな気がします。明るいせいでオバケが出てこなかったなんて言われたら意味ないですし」

「キャー! オバケの話はやめて!」

(そんなに怖いの?)

怜奈が跳ね起きて明かりをつけた。

眩しさで目をつむると、ドタバタと音がする。

「怜奈さん!?」

「怖すぎて無理。あとは杏野さんだけで検証して。でもオーナーには私もできる限り頑張ったって強調しておいてね!」

「ちょっと待っ――」

(帰っちゃった。嘘でしょ)

時刻は二十三時を過ぎたところだ。

ここから先、朝が来るまでこの広い部屋で鈴花はひとりで過ごさなければならない。

(私だって怖いよ)

怖気づきそうになると、海崎に助けを求めたくなる。

サイドテーブルに置いていた携帯を手に取り電話をかけようとしたが、思い直す。

(駆けつけられる距離じゃないのに、心配させてどうするのよ)

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