ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「鈴花!?」

ドアの鍵が外側から開けられると、センサーが反応して頭上の照明がパッとついた。

眩しさに目を閉じて薄目を開けると、目の前にはマスターキーを手にしたコート姿の海崎が立っていた。

「本物……?」

片膝をついた彼が困惑した顔をする。

「本物ってどういうこと?」

その声も熱でもあるのかと額に触れてくれる手も、鈴花がよく知っている彼そのものだ。

(非現実的な妄想しちゃった……)

ホッとすると急に恥ずかしくなる。

「ごめん、帰国するって知らなかったから怖くなっちゃって」

笑ってごまかしたつもりが、目からポロッと涙がこぼれた。

(あれ? 私、なんで泣いて……)

「怖がらせてすまない」

ぎゅっと抱きしめられて久しぶりの温もりに包まれると、やっと心の底から安心した。

部屋の電気をつけて明るくし、ふたり並んでソファに座る。

コートを脱いだ彼は白いニット姿だ。

「帰国したばかりなの?」

「ああ。今日の夕方に羽田に着いた」

ロンドンのヒースロー空港から現地時間の十九時半頃飛び立ち、十数時間の空を飛んでの帰国だ。それだけで疲れただろう。

羽田で飛行機を乗り継ぎ、新千歳空港に着いたのは二十一時半頃だったという。

そこからタクシーを急がせ、つい先ほどこのホテルに帰ってきたそうだ。

「おつかれさま。会えて嬉しい。でもどうして? アルマさんの件は?」

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