ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「ごゆっくりおくつろぎください。それでは私はこれで失礼いたします」

神山が退室してふたりきりになった途端に、海崎に思いきり抱きしめられた。

「この抱き心地を求めていた。鈴花の香りもする」

首筋に鼻をつけられて慌てる。

夕方、ここに来る前に自宅でシャワーを浴びてきたが、そのあとに冷や汗をたっぷりかいた。

「待って。私、汗臭いかも」

「鈴花はいつだっていい香りだよ」

「あっ、ダメだったら」

拒むと顔は離してくれたが、両腕は鈴花の腰に回されたままだ。

「そんなに気になるならちょうどいい。一緒に露天風呂に入ろう」

「入っていいの?」

「もちろん。今、俺たちは宿泊客だからね。前から一度、入浴して確かめようと思っていたからいい機会だ」

泉質や謳われている効能を、実際に入って体感したかったそうだ。

「よりリアルにお客様へ伝えられるだろ?」

そう言われて納得し、一緒に脱衣所へ移動した。

(ちょっとだけ背徳感を覚えるけど、オーナーが許可してるんだからいいよね)

脱衣所から室内の浴室と露天風呂の両方に出られる造りになっている。

服を脱ぐのを待たれるのは恥ずかしいので、先に露天風呂に行ってもらった。

(家のお風呂はたまに一緒に入ってるけど、ここだといつもより意識しちゃう)

髪を上の方で結び直し、裸の体にバスタオルをしっかりと巻いた。

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