ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「そうだな。すまない。君が隣にいるこの状況が嬉しすぎて引力に抗えなかった」

(引力?)

「このあとの予定は? 高台のレストランで食事しながら話さないか? もちろんご馳走させてくれ」

(そこ、めちゃくちゃ美味しくて高いところ!)

この辺りでは特別な日に利用するような創作料理の店で、観光客もたまに来る。

鈴花は家族や友人と数回、訪れたことがあった。

よだれがでそうなメニューを思い出して、「ぜひ!」と二つ返事で了承する。

「あのレストランの子羊のローストが悶絶級の柔らかさで大好きなんです。ホワイトアスパラガスのフレンチ風の前菜も美味しいし、味噌味のラザニアも。海崎オーナーはどのメニューがお好きですか?」

「評判は聞いているが、俺は初めてなんだ。コースじゃなく鈴花のお勧めを色々と頼もう。美味しいメニューを教えてくれ」

「はい。全力で紹介します」

やる気に満ちた笑みを浮かべると、クスッと魅力的に笑われた。

同じ年齢とは思えない余裕や色気を感じて心臓が跳ねる。

(冴えない私だけど、この食事の間だけ夢を見させてもらおうかな。あっ、食いしん坊ぶりを見せてしまった。恥ずかしい)

食い意地が張っていても一応、乙女心は持ち合わせている。

食べるより会話を弾ませる方を意識しようと自分に注意を与えつつ、頬を赤らめた。



一度帰宅して一張羅のエレガントなワンピースに着替えた。
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