ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~

タクシーで迎えに来てくれた海崎とレストランに着いたのは日暮れの頃で、白いテーブルクロスをかけた窓際のふたり掛けのテーブルでシャンパングラスを合わせて乾杯する。

窓から見えるのは夕日と山の緑と湖。

都会なら夜景が楽しめそうな高度だが、ここは田舎なので夜になると遠くの温泉街の控えめな明かりがポツポツと見えるだけだ。

けれども田舎にもいいところがある。

美味しい店なのに平日は店内に八つしかないテーブルが埋まらない。

予約いらずで今日も空いていて、鈴花たち以外の客はひと組しかいなかった。

「居心地のいい店だな」

シャンパンをひと口飲んで彼が店内を見回した。

ヨーロッパ調のインテリアだが気取った感じがなく、構えずに入れる雰囲気だ。

地元の食材とジビエも楽しめる店で、鈴花が選んだ前菜がすぐに運ばれてきた。

「アンティパスト五種盛りでございます」

味わいのある木目のプレートに、道産生ハムやモッツァレラチーズ、地鶏にサーモン、イクラ、ホタテ、ホワイトアスパラガスなどの野菜もたくさん使ってアート作品のように盛りつけられている。

自家製の焼き立てパンも出された。

バターも地元のもので、食べ放題なのが嬉しい。

(さあ、食べ――がっつかないようにしないと)

「それじゃ、俺の話をさせてもらおうか」

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