ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
海崎のことを知りたいと言ったのは急に接近されて慌てたからだが、興味はかなりある。

「お願いします」

「自分語りは苦手なんだが」と前置きして彼が話し出す。

父方の祖母がイギリス人で、出生地はイギリス。父親が貿易商を営んでいたため、幼少期は両親と世界中を回っていたそうだ。

国籍は日本だが、家族間での会話は英語だったので子供の頃は日本語を話せなかったという。

「ヨーロッパの国はほぼすべて。アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、アフリカやアジアの国々も住んだ。日本もね。特殊な経験をさせてもらってそれが今の自分に繋がっていると思っているが、数か月で住所を変えるから友達ができなくて当時は嫌だったな。特に英語圏以外の国は学校に通うのが苦痛だった」

言葉が通じないから友達を作れない。

子供時代の寂しい彼を想像すると胸が痛くなる。

(私なら、言葉が通じなくても一緒に遊ぶ。転校生をひとりぼっちには絶対にさせないけど、どう接していいのかわからなくて声をかけられない子もいるよね)

フォークにのせたサーモンを見つめながらしんみりした気分になっていると、彼が声を明るくした。

「日本だけは別だったけどな」

「えっ?」

「俺にとっては日本も言葉の通じない国だったが、三か月ほどの学校生活は楽しかった」

「どうしてですか?」

「どうしてだと思う?」

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