ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
重量感ある体が後ろに傾き、誰かのたくましい胸で受け止められる。

「海崎オーナー!?」

異変に気づき、タクシーを降りて駆けつけてくれたようだ。

「すまない。ドア前まで送るべきだった。なにをされた?」

「い、いえ、なにも。復縁を求められただけです。『お前なんかと結婚してやれるのは俺だけだ』って……」

(もしかして今、抱きしめられてるの……!?)

状況が飲み込めるとたちまち動悸が始まる。

駆けつけてくれた彼の少し速い息遣いが間近に聞こえ、背中には布越しに筋肉の硬さや体温が伝わる。

体にはスーツの片腕がしっかりと回されていて、肉厚なのを忘れて華奢で可愛い恋愛ドラマのヒロインに変身した気分になる。

(私の人生で、まさかイケメンに守られる日が来るなんて……)

これは夢か幻かと動悸をひたすらに加速させていたが、海崎の声が急に低くなった。

「鈴花への侮辱は許さない。彼女に謝罪しろ」

気圧されたように一瞬、体を引いた隆矢だったが、すぐに言い返してくる。

「侮辱じゃなく事実を言ったまで。こいつ、力士みたいな腹してんだぜ。どんだけ食うのよって言っても笑うだけ。痩せる気ないとか、女として終わってるだろ。そんな女でも結婚してやるって言ってんだから、十分に優しくない? 感謝してほしいくらいだわ」

(海崎オーナーの前で言わないでよ!)

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