ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
ラウンジカフェは軽食のテイクアウトもあるので、中身はきっとそれだろう。

海崎は口元に上品な笑みをたたえているが、よく見ると眉根が少々寄っている。

「ありがとう。せっかくなのでいただくが、スタッフは当ホテルのラウンジやレストランを利用しない決まりがある。今後、このような気遣いはいらないよ」

予想と違う反応だったからか、怜奈の笑みが引きつっている。

「今後は気をつけます。あの、これから昼休憩を取られますか? 私も仕事に入る前に食事をしようと思っていまして、よろしければご一緒に――」

「すまないが忙しいんだ。君は休憩室で食事をしてくれ」

「そ、そうですか。失礼しました……」

怜奈が気合いを入れていた理由がやっとわかった。

差し入れにかこつけて、ふたりきりでのランチタイムを期待していたようだ。

(海崎オーナーの恋人の座を狙うと言ってたの、本気だったんだ)

心の中がザワザワと落ち着かなくなる。

男性ならスレンダーな美人からの好意は嬉しいだろうと思うからだ。

(怜奈さんの気持ち、海崎オーナーにも伝わったよね。あからさまだもの。忙しくなかったら一緒にランチした?)

断られた怜奈が肩を落とし、鈴花がいる方へ爪先を向けた。

すると海崎が引き留める。

「待ってくれ。ひとつ、言い忘れがあった」

「はい!」

期待に笑みを浮かべた怜奈に、海崎が冷たく言う。

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