ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
さっきの睨みは差し入れについてだけだと思うことにし、焦りを収めた。

「失礼します」

入口で一礼し、入室する。

ドアが閉まるなり「鈴花」と親しげに呼ばれた。

「今、コーヒー淹れるよ。座って」

「あの、お忙しいんですよね?」

「いや、大丈夫。ちょうど休憩しようと思ってたところなんだ」

怜奈が聞いていたらまた睨まれそうだと思いつつ、応接ソファに座る。

コーヒーを淹れてくれた彼も昨日と同じ、鈴花の左隣に腰を下ろした。

怜奈の差し入れを紙袋から出すと、テイクアウト用の洋風弁当でふたつあった。

「俺が鈴花と食べるのをわかっていて用意してくれたみたいだな」

(絶対に違いますよ)

昼食は一時間ほど前に自宅で食べていたが、彩り豊かで美味しそうな弁当に喉が鳴る。

「いただきます」

プリプリな海老とアボカド、クリームチーズを挟んだベーグルサンドを手に取り、かぶりつく。

海崎も言っていた通り、スタッフは客として購入できないので初めて食べる。

(おいしっ!)

このホテルはレストランもラウンジカフェも評判がいい。

それを目当てで毎年、滞在してくれる常連客もいるほどだ。

「んー、最高です!」

「俺も同じ気持ちだ。鈴花が隣にいてくれて、最高の気分でランチを楽しめる」

(えっ?)

隣に振り向くと、色気を感じさせる視線を向けられ心臓が波打つ。

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