ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
交際をして、この人となら一緒に暮らせると思えた時にふたりの新居を考えたい。

その間に忘れてしまった過去も思い出せれば、戸惑いは消えるだろう。

それともうひとつ、言っておきたい重要事項がある。

「私たちの婚姻関係は当分の間、内密でお願いします。どういう経緯でと聞かれても説明しにくいですし、働きにくくなりそうで」

怜奈の顔が頭に浮かぶ。

嫉妬されるのが目に見えているので、絶対に知られたくない。

他の女性職員の中にも海崎に憧れている人がいそうな気がするので、同じだ。

同居せず、婚姻関係は内密で。

このふたつの条件を承諾してほしいのだが、彼は渋い顔をする。

「それだと新婚気分を少しも味わえない。夫婦になったのに他人のようだ」

「あの、こんなこと言うのは失礼だと思うんですけど、私の気持ちとしては海崎オーナーは遠い人なんです。レストランで一度食事をしただけでは、あなたのことがわかったとは言えません。もう少し身近に感じられるようになってから、結婚を意識したいんです」

考えるような間を置いて、海崎が頷いた。

「鈴花の条件を飲もう。その上で、どうすればより早く身近に感じてもらえるのか考えてみるよ。それでいいか?」

「はい。わがまま言ってすみません。ありがとうございます」

(とりあえずはよかった。これで今までと変わらない生活ができそう)

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