ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
(舞い上がってる? 高飛車なイメージを持っていたけどギャップというか、なんかちょっと可愛いかも……あれ? 私、妻だからって余裕ぶってない?)

上から目線が許される容姿をしていないのにと、お腹の肉をつまんで自分を戒める。

(そういえば最近、体形を気にしてばかりだ)

昨夜は結構お腹が空いていたのに、夜食に選んだのは小さいサイズのカップラーメンだった。

海崎に出会う前ならあり得ない選択である。

(私、譲に見合う女性になろうとしてるの? いやいや、痩せたって釣り合わないよ。自分を見失ってはダメ。ぽっちゃりなのが私なんだから。食べないと人生楽しめない)

宅配便の荷運びが終わると、海崎はオーナー室へ引き上げた。

鈴花はタブレットを片手に加藤に言う。

「続けてカウンター業務をお願い。私は清掃ミーティングに入るね」

チェックアウトのあとは次の宿泊客を迎えるための準備が始まる。

清掃スタッフに指示出しをするためバッグヤードの方に爪先を向けると、神山に声をかけられる。

「聞いたよ。おめでとう」

小声で祝福されて一瞬意味がわからなかったが、すぐに気づいて顔を熱くした。

(神山さんには結婚の報告をするって譲に言われたんだ)

オーナーは海崎だが実際にこのホテルを動かしているのは支配人の神山なので、報告すべきだと言われていた。

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