ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「おつかれさまです。夢美は?」

「コンビニに行った。先に食べてよ」

(チャンス!)

コンビニに行くと往復二十分かかるので、その間に真紀だけに結婚報告しようと決めた。

隣に座り、小声で打ち明ける。

「真紀さん、食べながらでいいので聞いてください。実は私、海崎オーナーと結婚しました」

目を瞬かせた真紀に額に手を当てられる。

「熱はないね。今日はエイプリルフールだっけ?」

「今、九月です。冗談じゃなく、本当なんですよ」

隆矢が諦めてくれないから勢いで婚姻届にサインをし、それを海崎が早々に役所に提出してしまった話をした。

「えっ、本当?」

「はい。信じられないかもしれませんけど」

「いや……うん。驚いたけど信じるよ。喫茶店で話に入ってきたイケメンがオーナーだった話は聞いてたし。過去に鈴花と結婚の約束をしたって言ってたんだよね?」

「そうです。人違いだって言ったんですけど、絶対に私だと言い切るので、思い出そうとしているところです」

まだかけらも思い出せないが。

「おめでとう。で、いいんだよね?」

反応に困っているような顔の真紀に苦笑する。

「どうでしょう。正直に言うと結婚は早すぎると思ってます。気持ちが追いつかないと言いますか。それで、一緒に住むのは待ってもらっていまして、職場でもなるべく秘密に――」

その時、真後ろに微かな物音がして肩をビクつかせた。

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