ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
そこに缶詰のあんこをドバっとのせ、もう一度トーストする。

最後にあんこの上にもバターを落とせば完成だ。

(あんバタートースト。夜勤明けはやっぱりこれだよね)

夜通し働いていたからカロリーを大量消費したはずで、その分食べても大丈夫というセオリーだ。

テレビで朝の報道番組を見ながらローテーブル前に座って食べていると、携帯が鳴った。

(まだ九時前なのに、誰だろう?)

知らない固定電話からの着信に少し警戒しながら出ると、男性の声がした。

『マルケイ不動産と申します。杏野さんの携帯でお間違いないでしょうか?』

「はい、そうですが」

『お世話になっております。アパート賃貸契約書のご署名、誠にありがとうございました』

(あっ、新しい大家さんか)

前の大家は個人で経営していたお年寄りだったので、社名を言われてもピンとこなかった。

『お隣の104号室をリフォーム工事することになりまして、その関係で杏野さんのお部屋にも入らせていただきたいんです。お隣との壁の一部を造り変えます』

「わかりました」

日付はちょうど休みの日だったので、了承して電話を切った。

(なにも問題ないよね……?)

ふと違和感を覚えたが、それがなにかわからない。

あんバタートーストに意識を戻して食べ進めていると、また携帯が鳴った。

今度は譲からのメッセージ通知だ。

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