ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
譲が嫉妬しないように女性ならなおいいと思いながらあくびをした。



それから一週間ほど過ぎて、リフォーム工事の日になった。

正確に言うと隣人が引っ越したその日から工事の音がしていて、鈴花の部屋に業者が入るのが今日これからだ。

時刻は十五時で、事前に知らされていた通りの時間にインターホンが鳴った。

「どうぞ、お入りください」

2DKの寝室として使っている六畳の洋室は、工事がしやすいように片づけてある。

工具を持った作業員ひとりがその部屋に入っている間、鈴花は掃除をする。

小さなバスタブを洗っていると、電動カッターを使っているような音が響いて驚いた。

(壁に穴を開けてるの? ちゃんときれいに直してくれるよね?)

壁紙がつぎはぎになっていたらどうしようと心配になりつつも、お風呂に続いてトイレ、玄関とピカピカに磨き上げた。

食いしん坊だが、実は料理より掃除の方が得意だ。

「リフォーム工事、これですべて終わりました。ありがとうございました」

「ご苦労様でした」

作業員が出ていくと、寝室を確認しに行く間もなく携帯が鳴った。

実家の母からの電話だ。

「もしもし」

『やっと繋がった。鈴花、今日は休みって言ってなかった? なかなか出ないから心配したよ』

何回か電話をかけていたそうだが、工事の作業音で聞こえなかったようだ。

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