ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「ごめん、気づかなかっただけ。私は元気だよ。なにか急ぎの用?」

親戚からのいただきものを宅配便でこっちに送ってくれるという話から始まり、同居している祖母の通院状況や鈴花の大学生の妹の就職活動など、母のおしゃべりは止まらない。

いつ終わるのかわからないのでテレビをつけ、スナック菓子とお茶を用意してくつろぎながら話に付き合った。

『そうそう、最近ぱったりとあの電話がかかってこなくなったんだよね』

「ああ、例の詐欺電話?」

長年、実家に国際電話が定期的にかかってきて、鈴花と真剣交際したいから繋いでほしいと毎回言われるそうだ。

母が言うには、国際ロマンス詐欺に間違いないらしい。

『あんまりしつこいから本気かと思ったこともあったんだけど、あんた、イギリス人のジョーとかいう知り合いいないでしょ? でも最近、ぱったりとかかってこなくなって。ついに諦めたんだね』

(ん? イギリス人のジョー?)

一時間近くしゃべりまくった母が、『おばあちゃんがデイサービスから帰ってきたわ』と言って電話を切った。

携帯をテーブルに置いて考える。

(国際電話ってイギリスからだったんだ。ジョーって英語名じゃなく〝譲〟なんじゃ……?)

海崎がイギリスに住んでいた頃、なんとか実家の電話番号を調べ上げて鈴花に連絡を取ろうとしたが、国際ロマンス詐欺扱いで母に邪険にされている様子を想像した。

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