ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「それは合ってる。今時タオルは珍しいけどね。それよりもおかしな点が多々あるでしょ?特にこのドアとか!」

思わず語気を強めると、海崎の眉尻が下がった。

その後ろで引っ越し作業員の声がする。

「終わりました。ご確認お願いします」

「鈴花、ごめん。よかったらこっちの部屋に来て待ってて。あとで説明する」

彼が作業員と玄関の方へ移動し、鈴花は隣室に足を踏み入れる。

「おじゃまします……」

(わっ、すごくおしゃれ)

元は鈴花の部屋と同じ2DKの間取りが、広いワンフロアになっている。

モノトーンでまとめられたスタイリッシュな家具に青いカーテンやクッションが差し色となって素敵だ。

真新しいシステムキッチンに、大きな黒い革張りのソファと白い天板のローテーブル、大きなテレビもピカピカだ。

洗練された都会の雰囲気を感じるモダンな部屋には階段もついている。

(二階があるの?)

そういえば真上は空き部屋で、上下で繋げて部屋数を増やしたようだ。

(家族で住めるくらい広くなって、同じアパートとは思えないよ)

つい感嘆してしまったが、ここは文句を言うべきところだと気を引き締める。

十分ほどして引っ越し屋が引き上げ、ふたりきりになった。

「座って。コーヒーでいい? 夕食は蕎麦の出前を取ろうと思うんだ。日本では引っ越した日に蕎麦を食べる文化があると聞いたから。一緒に食べよう」

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