ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
昨日と似たやり取りをしながら、鼓動を最大限まで高まらせる。

「残念」

クスッと余裕のある笑い方をされ、眉根を寄せた。

(私を焦らせて面白がってない?)

「朝食できたら呼ぶよ」

彼が自分の部屋に戻っていくのを見届け、急いで着替えをする。

「あっ、すっぴんだけじゃなくてブラもしてなかった……」

恥ずかしさで熱い顔を両手で覆う。

(グイグイ来られると、困るよ)

早く夫婦生活を始めたくて距離を詰めてくる彼と、清い交際から始めたい自分の温度差が激しい。

この気持ちをわかってもらうには本気で怒った方がいいのかと考えつつ、顔を洗ってメイクも済ませる。

するとノックの音がした。

「朝食ができた。こっちに来て」

(どうしよう。怒っているのをわかってもらうには、いらないと突っぱねるべきだけど)

昨日の夕食が頭に浮かんだ。

カレー南蛮蕎麦を食べる彼は笑顔で『おいしい』と何度も言ってくれた。

そんな彼を見ている鈴花も嬉しくて、作ってよかったと楽しい時間を過ごせた。

(せっかく作ってくれたのに、食べないなんて私にはできない)

「おじゃまします」

室内ドアを開けて彼の部屋に入る。

ふんわりと美味しそうな香りにつられるようにお腹が鳴った。

顔を熱くすると、黒いエプロン姿の彼にクスッとされた。

「座って」

ダイニングテーブルに近づいて驚く。

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