ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
ホテルの朝食並みに美しいプレーンオムレツとベーコンがひと皿に盛られている。

リーフレタスのサラダにはラディッシュやパプリカ、数種類のビーンズが散らされて色鮮やかだ。

具だくさんのミネストローネと籠に八つも積まれた焼き立てのクロワッサンの香りが食指を動かす。

ヨーグルトとカットフルーツまであって感激した。

文句を言いたい気持ちがあったことさえ忘れてしまう。

「すごい。この短時間でどうやって作ったの?」

「ミネストローネを煮込んでいる間に、野菜やフルーツをカットして、オムレツとベーコンを焼いただけだよ。クロワッサンは冷凍ものをオーブンに入れただけ。手間はかからない」

「十分に手間がかかってると思うけど」

「温かいうちにどうぞ召し上がれ」

「いただきます」

ミネストローネから口に運び、目を丸くした。

(これは、レストランの味だ)

オムレツはフワフワとろとろで、クロワッサンはパリッとしてバターと小麦の香りが口に広がる。

サラダは瑞々しく新鮮だし、食べる手が止まらない。

「おいしい。めちゃくちゃおいしい。ありがとう。朝から幸せ!」

彼はエプロンを脱いで、向かいの席に今座ったところだ。

まだ食べていないのに、しみじみとなにかを味わっているような顔で鈴花を見ている。

「どうしたの?」

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