ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「夕食、家で食べるなら今日も一緒に食べようか。なにか作って待ってるよ」

「もちろん家で食べる。楽しみだ」

たちまち笑顔になる彼にまた鼓動が高まる。

(仕事中は頼もしくて凛々しさしかないのに、私の言動でしょげたり喜んだりしてくれる。ギャップ萌え? 私ってそういうのに弱いのかも)

頬を熱くして退室すると、怜奈が廊下に仁王立ちしていて肩をビクつかせた。

「ちょっと来て」

問答無用で腕を引っ張られ、近くにある給湯室に連れ込まれる。

(まさかオーナー室での会話が聞こえてた?)

ヒヤヒヤしていると、険しい顔を近づけられる。

「なんの用事だったの?」

(違ったみたい。よかった)

「温泉饅頭を売店に置きたいそうで、その選定を任されたんです」

理由があってのことだと説明しても怜奈の眉根は寄ったままだ。

「どうして杏野さんに頼むのよ。海崎オーナーのお役に立ちたいって、私いつもアピールしてるのに。ねぇ、どうして?」

「私が食べるのが好きだからでしょうか。きっと適任だと思われたんだと思います」

「まぁ、そうよね。他に理由が思いつかないわ」

ため息をついて彼女が眉間の皺を解いた。

(納得してもらえたのかな? ぽっちゃりでよかった)

この前、神山から怜奈に注意が入ったと真紀が教えてくれた。

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