ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
頷いてふたりにも見えるように携帯を机上に置き、メッセージを開く。

(なにこれ?)

【別れてからやけにお前を思い出す】から始まり、何度もスクロールしなければならないほどに長文だ。

しかも読んでいる間にも送られてくる。

「『真実の愛を手放した愚かな俺』だって。鈴花の元彼、未練たらたらだね」

「ポエムチックでキモイ」

夢見がちな夢美もドン引きするほど、失恋に酔った文面で鈴花も鳥肌が立った。

「『移り気な若い果実に惑わされ』って、十代の女の子にフラれたのかも」

東京出身というステータスが早くも新鮮味を失ったようだ。

「短いモテ期だったね」

真紀は呆れて、夢美は怒っている。

「鈴花のことバカにしてたくせに今さらなんなのよ。ブロックしたら?」

「そうする」

頷いて画面をタップしようとすると真紀に止められた。

「やめた方がいいよ。連絡手段を残しておくことで相手のガス抜きになるし、向こうの動向も知れる。ただし返信はダメだよ。期待させたら会いに来るかもしれない」

なるほどと思い、ブロックは一旦保留にする。

「ねぇ、ちょっと思ったんだけど、これ見せたらオーナーが心配して鈴花を守ろうと必死になるんじゃない? ふたりの愛を深めるチャンスだよ!」

夢美に目を輝かせて提案されても、それは却下だ。

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