ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「わかってるって」

海崎には今日、仲のいい女性職員と集まる話しをしてある。

『いいね。楽しんで』

快くそう言ってくれたので隣は気にせず楽しもうと思う。

三人でわいわいと話しながら準備をし、ローテーブルを囲む。

卓上コンロの上でぐつぐつと音を立てているのはキムチ鍋だ。

豚バラ、豆腐、長ネギ、白菜、しいたけなどオーソドックスな具材ばかりだが、美味しそうな香りに唾が込み上げる。

「乾杯しようか」

鈴花と真紀は缶チューハイで、アルコールが苦手な夢美はノンアルコールのカクテルだ。

「おいしっ」

熱々の豆腐をハフハフと食べながら、寝室の奥に見える室内ドアが気になった。

(譲はキムチ鍋の美味しさ、知ってるかな?)

彼が作ってくれる朝食は上品でセレブな雰囲気を感じる。

庶民的なキムチ鍋は未経験な気がした。

気持ちとしては一緒に食べようと言いたいが、誘えない。

(事務のふたりに婚姻関係を伝えたとしか言ってないから……)

オーナーとしての立場がある。喫茶店での出会いからのなにもかもをふたりに知られているとわかったら、気まずいだろうと思った。

「鈴花、ハイペースだね。お肉、追加する?」

「うん、お願い。野菜とお豆腐も入れるね。どんどん食べるよ」

「シメにうどんがあるのも考えて食べようね」

追加で鍋に入れた食材がちょうどよく煮えた時、インターホンが鳴った。

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