好きなんですっ、先生!
ムスッとした私は、渡された野菜をむしゃくしゃしながら切り始めた。
周りを見渡せば、安西先生はサッカー部の先輩たちに囲まれてるし。
美咲は早坂くんのとこにいるし。
先生は、私に丁度背を向けながら、机とか椅子やらを部員たちと組み立てていた。
「先生の、ばか。…ばかばかばかばか……痛っ!…」
あんまりにもむしゃくしゃした私は、野菜を切りながら、指をほんの少しだけ切ってしまったのだ。
「……うぅ、いたい。」
お世辞でもいいから、なんか一言でも言ってくれればいいのに。
…先生のバカ!
「神崎、どした?」
「あぁ、指切っちゃって。水道探してるんだけど…」
辺りをキョロキョロと見回していると、朝倉くんが私のもとに駆け寄って来てくれたのだ。
「水道なら、向こうにあったよ。俺も一緒に行くよ。」
ちょっとした傷だから、大丈夫なのに。
相変わらずの優男だね、朝倉くん。
「……はぁあ。」
せっかく先生と海に来れたというのに、出だしから最悪な展開にため息しか出てこない。